乗り物酔いの原因・症状・止め方

乗り物酔いは命にかかわる病気ではありませんが、本人にとっては非常に不快な症状です。場合によっては吐いたりして周囲の人に迷惑をかけることもあります。

とはいえ交通機関が発達して日本中を行き来できるようになった今日、酔うからといって乗り物に乗らないということは難しいでしょう。

乗り物酔いはどのようなメカニズムで起きるのか、その原因を正しく知って、対策と予防に努めましょう。

乗り物酔いの原因

乗り物酔いは医学的には「動揺病」や「加速病」と呼ばれます。その原因は自動車などのゆれや振動によって、平衡感覚をつかさどる三半規管(さんはんきかん)や耳石器(じせきき)の働きが乱されることによります。

また揺れや振動による刺激は自律神経機能を混乱させるために不快感を起こさせます。

睡眠不足や、体調の悪いとき、空腹時、食べすぎ・飲みすぎ、また緊張しているときには酔いやすくなります。車内で本を読んだりゲームをしたりと下を向くのもよくありません。

乗り物酔いの症状

初期症状としては、生あくびが多くなったり、頭が重く感じられます。主な症状としては、吐き気やめまい、冷や汗、気分の落ち込みなどの症状が見られます。

なお、めまいは一時的で軽度の場合もあれば、後に障害が残るような重度の場合もあります。めまいを感じたときには横になって休み、安静にすることが大切です。

もし耳鳴りや頭痛、手足のしびれなどの症状がともなう場合には、脳や耳の病気の可能性があります。休んでも治まらない場合には、内科もしくは耳鼻科にて専門の診断を受けましょう。

乗り物酔いの止め方

初期症状が出た時点で、可能ならばいったん乗り物から降りて休むのがベストです。衣服を楽にして仰向けになって休みます。

乗り物から降りるのが難しい場合でも、振動の少ない座席に移るなどして安静を保つことが大事です。また窓の外を見るときにはできるだけ遠くを見たり、乗り物内の換気を行うことも効果的です。ただし渋滞している道路では排気ガスなどで気分が悪くなることもありますので注意しましょう。

歳をとると酔わなくなる?

乗り物酔いは2歳ころから始まり、5歳~12歳くらいが一番酔いやすいといわれます。その後は乗り物に慣れることもあり、酔いにくくなっていく傾向にあります。

なお高齢者の場合は、内耳や反射の機能が衰えてくるために酔いにくくなると言われています。